
Anthropic の AI アシスタント「Claude」には、用途の異なる3つのツールがあります。おなじみのチャット、開発者向けのClaude Code、そして2026年1月に登場したエージェント型ツールCoworkです。
「結局どれを使えばいいの?」「Claude Code と Cowork って何が違うの?」——こうした疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
本記事では、Claude チャット・Claude Code・Cowork の3つを、機能・料金・対象ユーザー・活用シーンまで網羅的に比較します。自分の業務に合ったツールを選ぶ参考にしてください。
そもそも3つのツールは何が違う?ひと言で整理
Anthropic が提供する3つのツールは、それぞれ異なる役割を担っています。ひと言でまとめると以下の通りです。
- Claude チャット → 「相談相手」。会話を通じて情報やコンテンツを得る
- Claude Code → 「エンジニア」。ターミナル上でコーディング作業を自律的にこなす
- Cowork → 「パートナー」。デスクトップ上でファイル操作や業務タスクを丸ごと代行する
共通しているのは、いずれも Anthropic の Claude モデル(現在は Claude Opus 4.6)を基盤としている点です。違いは「どこで」「誰が」「何をするために」使うかにあります。
Claude チャットとは? — 会話で答えを引き出す AI アシスタント
Claude チャットは、Web(claude.ai)やモバイルアプリ、デスクトップアプリから利用できる対話型 AI です。質問を入力すると、テキストで回答が返ってくるシンプルな仕組みで、最も多くのユーザーに利用されています。
主な特徴
- Web / モバイル / デスクトップからアクセス可能
- 文章の作成・翻訳・要約・校正
- プログラミングの質問やコード作成
- アップロードしたファイル(PDF・画像・ドキュメントなど)の分析
- Web 検索やディープリサーチによるリアルタイム情報収集
- アーティファクト機能でインタラクティブなコンテンツを生成
向いている人
Claude チャットは、AI を初めて使う方から業務で日常的に使う方まで、幅広い層に対応しています。ファイルのアップロード・ダウンロードを通じた分析もできますが、基本的には「ユーザーが質問し、Claude が答える」という対話の往復が中心です。
無料プランでも利用可能なので、まず Claude を試してみたい方にも最適です。
Claude Code とは? — ターミナルで動くエージェント型コーディングツール
Claude Code は、ターミナル(コマンドライン)上で動作するエージェント型の AI コーディング支援ツールです。2025年にリリースされ、開発者コミュニティで急速に普及しました。
主な特徴
- ターミナル上で自然言語による対話で開発作業を進行
- プロジェクト全体のコードベースを理解し、複数ファイルを横断的に編集
- バグ修正・リファクタリング・テスト作成・Git 操作を自律的に実行
- VS Code や JetBrains などの主要 IDE との統合
- MCP 連携で外部サービス(GitHub、Google Drive、Slack など)と接続
- サブエージェント・プラグイン・フックによる高度な拡張
- 並列処理で複数タスクを同時進行
向いている人
Claude Code は主にエンジニアや開発者向けです。ターミナル操作に慣れている方であれば、コーディングだけでなくファイル整理やドキュメント生成にも活用できます。実際、多くの開発者が Claude Code をコーディング以外の汎用タスクにも使い始めたことが、後述する Cowork 誕生のきっかけとなりました。
利用には有料プラン(Pro 以上)への加入が必要です。
Cowork とは? — 非エンジニアのための業務エージェント
Cowork は2026年1月にリサーチプレビューとして公開された、デスクトップ向けのエージェント型 AI ツールです。Claude Code の強力なアーキテクチャを、ターミナル操作なしで誰でも使えるように再設計したもので、「非エンジニア向けの Claude Code」とも言えます。
誕生の背景
Anthropic は、Claude Code がコーディング以外の用途——ファイル整理、スプレッドシート作成、レポート生成など——にも広く使われていることに気づきました。しかし、ターミナル操作は非エンジニアにとってハードルが高いという課題がありました。そこで、同じエージェントアーキテクチャを GUI ベースのデスクトップアプリとして提供したのが Cowork です。
主な特徴
- デスクトップアプリ(macOS / Windows)で動作。ターミナル不要
- 指定したローカルフォルダ内のファイルを直接読み取り・編集・作成
- 複数ステップのタスクを計画→実行→納品まで自律的に処理
- プラグインで業務特化の自動化(営業・法務・財務・マーケティングなど11種以上)
- MCP 連携で Google Drive、Slack、Notion などの外部サービスと接続
- Claude in Chrome と連携し、ブラウザ操作やフォーム入力も自動化
- グローバル指示・フォルダ別指示で作業スタイルをカスタマイズ
- Claude Opus 4.6 搭載、100万トークンのコンテキストウィンドウ
向いている人
Cowork はエンジニアに限らず、営業・マーケティング・法務・経理など、あらゆる職種のナレッジワーカーに向けて設計されています。ゴールを伝えるだけで Claude が自律的にファイルを操作し、成果物を仕上げてくれるため、席を外して戻ってきたら完成した資料が出来上がっている——という使い方が可能です。
利用には有料プラン(Pro 以上)への加入が必要です。
3つのツール徹底比較表
比較項目 | Claude チャット | Claude Code | Cowork |
|---|---|---|---|
ひと言で | 相談相手 | エンジニア | パートナー |
利用環境 | Web / モバイル / デスクトップ | ターミナル(CLI) | デスクトップアプリ(GUI) |
操作方式 | 対話型(一問一答) | 対話型(CLI) | エージェント型(タスク委任) |
主な対象 | 全ユーザー | エンジニア・開発者 | 非エンジニア含む全ナレッジワーカー |
ファイル操作 | アップロードして分析 | プロジェクト全体を横断編集 | ローカルフォルダに直接アクセス・編集・作成 |
自律性 | ユーザーが都度指示 | タスク単位で自律実行 | 複雑なタスクを丸ごと自律実行 |
コーディング | コード生成・解説 | 本格的な開発作業(主戦場) | コード不要で業務タスクを処理 |
ブラウザ連携 | なし | 可能(MCP経由) | Claude in Chrome で直接操作 |
プラグイン | なし | あり | あり(業務特化11種以上) |
料金 | 無料プランあり | 有料プランのみ(Pro $20〜) | 有料プランのみ(Pro $20〜) |
データ保存 | Anthropic サーバー | ローカル | ローカル |
料金プランとツールの対応関係
どのツールを使えるかはプランによって異なります。重要なのは、Pro プラン(月額$20)に加入すれば、チャット・Claude Code・Cowork の3つすべてが利用可能になるという点です。
プラン | 月額(税別) | チャット | Claude Code | Cowork |
|---|---|---|---|---|
Free | 無料 | ○ | ✕ | ✕ |
Pro | $20 | ○ | ○ | ○(利用枠小) |
Max 5x | $100 | ○ | ○ | ○ |
Max 20x | $200 | ○ | ○ | ○ |
Team | $30/人 | ○ | ○ | ○ |
Enterprise | 要問い合わせ | ○ | ○ | ○ |
Pro プランでも Claude Code と Cowork は使えますが、利用枠に制限があります。日常的にエージェント機能を使い込む場合は、Max プラン(5x: 月額$100 / 20x: 月額$200)の検討をおすすめします。
ケース別使い分けガイド:どのツールを選ぶべき?
Claude チャットを使うべきケース
- ちょっとした質問にすぐ答えがほしいとき
- メールやブログ記事の下書きを作りたいとき
- アップロードした資料を要約・分析してほしいとき
- 外出先やスマートフォンから使いたいとき
- 無料でまず AI を試してみたいとき
- アイデア出しやブレインストーミングの壁打ち相手がほしいとき
Claude Code を使うべきケース
- 新規プロジェクトの環境構築やコード生成を効率化したいとき
- 複数ファイルにまたがるバグ修正やリファクタリングを自動化したいとき
- テスト作成・Git 操作・CI 連携など開発ワークフロー全体を最適化したいとき
- ターミナル上で完結する作業スタイルを好むエンジニア
- ライブラリの置き換えやコードベースの移行作業を効率化したいとき
Cowork を使うべきケース
- 散らかったファイルやフォルダを自動で整理・リネームしたいとき
- レシートのスクリーンショットから経費スプレッドシートを自動生成したいとき
- 散在するメモから構造化されたレポートやプレゼン資料を作りたいとき
- 名刺画像から連絡先リストを自動作成したいとき
- Web サイトから情報を収集して比較表を作成したいとき
- 長時間かかる複雑な業務タスクを、席を外しつつ任せたいとき
- ターミナル操作に慣れていないが、エージェント型 AI を活用したいとき
Claude Code と Cowork の関係を深掘り
「Claude Code と Cowork は似ている」と感じる方も多いかもしれません。実際、両者は同じエージェントアーキテクチャを共有しており、できることに重なりがあります。
最大の違いはインターフェースです。Claude Code はターミナル(CLI)ベースで、開発者が慣れ親しんだ環境でコーディングを中心に作業します。一方、Cowork はデスクトップアプリ(GUI)ベースで、ターミナルを一切開かずにファイル操作や業務タスクを実行できます。
もう一つの違いは最適化された用途です。Claude Code はコードベースの理解やGit操作など開発ワークフローに特化した機能が充実しているのに対し、Cowork はプラグインやClaude in Chrome連携など、ビジネス業務の自動化に向けた機能が充実しています。
エンジニアであっても、コーディング以外の事務作業(経費精算、資料作成など)には Cowork を使うという組み合わせが効率的です。
利用時の注意点
チャット利用時
Claude チャットは比較的リスクが低いツールですが、AI の回答を鵜呑みにせず、重要な事実は必ず自分で確認しましょう。また、機密情報の入力には注意が必要です。
Claude Code 利用時
Claude Code はローカル環境でコマンドを実行できるため、実行前に差分やコマンド内容を必ず確認しましょう。重要なコードは事前にバージョン管理しておくと安心です。
Cowork 利用時
Cowork はローカルファイルに直接アクセスできる強力なツールです。Anthropic は以下の点に注意を促しています。
- 機密性の高い情報(財務データ、認証情報、個人情報)を含むフォルダへのアクセスは慎重に判断する
- 専用フォルダを作成し、必要なファイルだけを入れて作業する
- 重要なファイルは事前にバックアップを取っておく
- 曖昧な指示(「いらないファイルを消して」など)は避け、具体的に伝える
いずれのツールも現在進化の途上にあり、特に Cowork は「リサーチプレビュー」の段階です。規制対象のワークロードでの使用は推奨されていません。
よくある質問(FAQ)
Q. 無料で使えるのはどれ?
Claude チャットのみ無料プランで利用可能です。Claude Code と Cowork は Pro プラン(月額$20)以上の契約が必要です。
Q. Pro プランに入れば Claude Code も Cowork も使える?
はい。Pro プラン(月額$20)に加入すれば、チャット・Claude Code・Cowork の3つすべてが利用可能になります。ただし、Claude Code と Cowork の利用枠は Max プランより小さくなります。
Q. Cowork はスマートフォンで使える?
いいえ。Cowork はデスクトップアプリ(macOS / Windows)専用です。外出先からは Claude チャット(Web / モバイルアプリ)を利用しましょう。
Q. エンジニアは Claude Code だけで十分?
コーディング作業には Claude Code が最適ですが、経費精算や資料作成といった非コーディング業務には Cowork が便利です。Pro 以上のプランなら両方使えるので、用途に応じて使い分けるのがおすすめです。
Q. Claude Code と Cowork は同時に使える?
はい。Claude Code はターミナルで、Cowork はデスクトップアプリのタブで動作するため、同時に使用できます。
Q. Cowork は日本語に対応している?
はい。日本語での指示やファイル操作に対応しています。
まとめ:3つのツールを使いこなして生産性を最大化しよう
Claude チャット・Claude Code・Cowork は、同じ AI 基盤を共有しながらも、それぞれ明確に異なる役割を持っています。
- Claude チャット — 会話で情報やコンテンツを得る「相談相手」
- Claude Code — ターミナルで開発作業を自律的にこなす「エンジニア」
- Cowork — デスクトップでファイル操作や業務を丸ごと代行する「パートナー」
日常的な質問や軽い作業にはチャットを、開発作業には Claude Code を、まとまった業務タスクには Cowork を——という使い分けが現時点でのベストプラクティスです。
Pro プラン(月額$20)に加入すれば3つすべてが利用可能になるので、まずはそれぞれ試してみて、自分の業務に最適な組み合わせを見つけてみてください。Anthropic は各ツールを急速に改善中であり、今後の進化にも注目です。

